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配管サイズの種類や読み方、単位までまとめて解説!2021.12.18

配管のサイズ(外径寸法)は、「呼び径」という表現方法が用いられています。
一般的に、サイズはmm(ミリメートル)やcm(センチメートル)で表わされますが、配管は独自の表現となっているため、知識がないとサイズがまったく分かりません。

ここでは、日本独自で用いられている配管サイズの種類や読み方、寸法の単位などを、まとめて解説していきます。配管サイズの種類や読み方、単位までまとめて解説!

目次

配管を使用する配管工事について

配管サイズというのは、配管を使用する配管工事の内容によって異なります。
配管サイズは細かく分けられていますが、工事内容に合わせた外径の配管を使うので、勝手にサイズを選ぶことはできません。

ここでは、まず配管工事ごとに使われる配管の種類を紹介します。

ガス配管工事

ガス配管工事は、調理器具(ガスコンロ)や暖房器具、給湯器などにLPガスや都市ガスを供給するための工事です。
ガスの配管は、安全性を第一に考慮し、腐食や漏れを防げるポリエチレン管やプラスチック被覆鋼管を使用するのが一般的です。

衛生配管工事

衛生配管工事は、調理や洗面、浴室、トイレ、洗濯などで使う水を供給、不要になった水を排水するための工事です。
温冷水を流すので、配管では合成樹脂ライニング鋼管やステンレス鋼鋼管などを使用します。

空調配管工事

空調配管工事は、主にビルや商業施設などの空調を、コントロールするための工事です。
空調の配管では、配管用炭素鋼鋼管(SGP)や一般冷媒配管用銅管を使用します。

防災設備配管工事

防災設備配管工事は、屋内消火栓やスプリンクラーなど、消火設備の工事になります。
消火設備は圧力に耐えられること、不燃であることが必須なので、塩ビライニング鋼管やステンレス鋼管が使用されます。

プラント配管工事

プラント配管工事は、化学工場や鉄工所、食品工場などの工場で使う配管を設置する工事です。
プラント配管は上下水だけでなく、化学物質や原料、ガスなども移送するので、金属を使用した配管や銅を使った配管など、さまざまな配管を使用します。

配管サイズの種類と読み方

配管サイズには、「A呼称」と「B呼称」という2つの呼び径があります。

「A呼称」は「エーこしょう」という読み方で、ミリメートルを基本としており、寸法の単位は「6A(ロクエー)」や「10A(ジュウエー)」と呼びます。
「B呼称」は「ビーこしょう」という読み方で、こちらはインチが基本です。
寸法単位の呼び方は、「3/8(ハチブンノサンインチ)」や「1(イチインチ)」と呼びます。

ちなみに、配管工事の現場では、B呼称の分母を8に固定した、俗称(通称)という呼び方もよく使われています。
俗称で呼ぶ場合は、B呼称の「1/8(ハチブンノイチインチ)」は「一分(イチブ)」、「1/4(ヨンブンノイチインチ)」は「二分(ニブ)」となります。

呼び方は違ってもサイズは同じ

A呼称とB呼称、俗称ではそれぞれに寸法の単位の呼び方は異なるものの、表わす外径サイズは同じです。
少々ややこしいのですが、たとえば「80Aの外径は?」「3インチ(B呼称と俗称)の配管の寸法は?」というように呼び方はまったく違ったとしても、JIS規格のサイズは89.1mmという外径サイズになります。(下記表に参照)

配管サイズの寸法の単位について

上記で説明したとおり、配管サイズの寸法単位はA呼称とB呼称で異なります。
ここでは、それぞれの呼び径の寸法単位を対応表で解説します。

【配管サイズの対応表】

A呼称 B呼称 俗称 配管の外径(mm)
6 1/8 一分 10.5
8 1/4 二分 13.8
10 3/8 三分 17.3
15 1/2 四分 21.7
20 3/4 六分 27.2
25 1 インチ 34.0
40 1 1/2 インチ半 48.6
50 2 2インチ 60.5
65 2 1/2 2インチ半 76.3
80 3 3インチ 89.1
90 3 1/2 3インチ半 101.6
100 4 4インチ 114.3
125 5 5インチ 139.8
150 6 6インチ 165.2
175 7 7インチ 190.7
200 8 8インチ 216.3
225 9 9インチ 241.8
250 10 10インチ 267.4
300 12 12インチ 318.5
350 14 14インチ 355.6
400 16 16インチ 406.4
450 18 18インチ 457.2
500 20 20インチ 508.0

外国規格の配管はサイズが異なる

上記の対応表の外径は、JIS規格となっています。
日本国内で生産されているものは、全てこの規格になりますが、ANSI規格など外国規格の場合は、外径がJIS規格と異なる場合があります。

また、ANSI規格ではmmだけでなく、インチでも外径が表記されることがあるので、JIS規格と比較しながら違いを確認しておく必要があります。

ここでは、呼び径とJIS、ANSI規格の対応表をまとめたので参考にしてください。

呼び径 配管の外径
A呼称 B呼称 俗称 JLS規格(mm) ANSI規格
6 1/8 一分 10.5 10.3 0.405
8 1/4 二分 13.8 13.7 0.540
10 3/8 三分 17.3 17.1 0.675
15 1/2 四分 21.7 21.3 0.840
20 3/4 六分 27.2 26.7 1.050
25 1 インチ 34.0 33.4 1.315
32 1 1/4 42.7 42.2 1.660
40 1 1/2 インチ半 48.6 48.3 1.900
50 2 2インチ 60.5 60.3 2.375
65 2 1/2 2インチ半 76.3 73.0 2.875
80 3 3インチ 89.1 88.9 3.500
90 3 1/2 3インチ半 101.6 101.6 4.000
100 4 4インチ 114.3 114.3 4.500
125 5 5インチ 139.8 141.3 5.563
150 6 6インチ 165.2 168.2 6.425
200 8 8インチ 216.3 219.1 8.625
250 10 10インチ 267.4 273.1 10.75
300 12 12インチ 318.5 323.9 12.75
350 14 14インチ 355.6 355.6 14.00
400 16 16インチ 406.4 406.4 16.00
450 18 18インチ 457.2 457.2 18.00
500 20 20インチ 508.0 508.0 20.00

適切な配管サイズを選定するには専門知識が必要!

配管は、ただ工事ができるというだけではなく、工事をする箇所に適切なサイズの管をすぐに選定できる、同じサイズでもどの材質が配管工事に合っているかなどを、決められる専門知識も重要です。

配管工事の種類や配管を敷設する場所によってサイズは異なるので、サイズの知識があるかないかで工事のクオリティも変わっていきます。
そのため、施工会社を適当に選ぶのはNGです。

当社には専任の職人がおり、サイズに関しても専門知識を持っているので、配管工の仕事はぜひ当社にご依頼ください。