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プラント配管とは?配管の作り方なども解説2021.12.23

一般住宅やマンション、工場やビル、商業施設などには必ず配管が設置されています。
配管は、液体や気体、エネルギーなどの流体を送る役割を持っており、一般家庭でいうと水道やガスは配管から送られてきています。

また、汚れた空気を外に排出したり、汚水を流したり、さまざまな役割を担っているのが配管の特徴です。
ここでは、配管の一種であるプラント配管について、また配管の作り方や配管の継手の種類を紹介していきます。プラント配管とは?配管の作り方なども解説

目次

プラント配管とは?

プラント配管は、化学工場や食品工場、製鉄所などに設置されている配管のことをいいます。

一般住宅やマンションであれば、配管を通るのは水やガス、空調のための空気なので、配管の設置や管材の選定はそれほど難しくありません。
しかし、プラント配管には工場で使われる熱湯やさまざまなガス、製造で使用する液体、汚水などが通るため管材は、それぞれの流体に適したものを選ぶ必要があります。

また、工場内のレイアウトは各建物によって異なるため、プラント配管の設計では管材の質や寸法、ポンプやタンクなども取り入れたさまざまな計算が必要です。

さらに、プラント(工場)には、圧力計や温度計、レジューサーなどの機器の設置もされているため、空調工事や消防配管工事、給排水衛生工事などの付帯工事は別物として扱われます。

このように、設計も設置方法も工事も、一般の配管とはまったく異なるのがプラント配管であり、高い専門性が求められます。

配管の作り方

配管作りは、さまざまな流体を流すプラント配管の要ともなるものです。
もちろん、配管は作り方を見れば作れる、というものではありませんが、どのような作り方があるのかを知っておくと、より深く配管を理解できます。

配管の作り方は主に3種類あるので、それぞれの作り方を解説します。

シームレス管

シームレス管というのは、シーム(継ぎ目)がない鋼管です。

まずは丸管を加熱し、穿孔機でミシン目のように穴を開けていきます。
次に、酸で洗ったら、油を塗ってマルチパス冷感圧延を加え、ブランクチューブを取り付けて熱処理をします。
最後に矯正を行って静水圧試験に合格をしたら、マークをして保管をするというのがシームレス管の作り方です。

シームレス管は継ぎ目がないことから、高圧ガスや高圧ボイラーなど、管内に大きな圧力がかかる配管に使われますが、価格が高く内径と外径の厚みが一定ではないのが欠点です。

溶接鋼管

溶接鋼管は最もスタンダードな作り方をする配管で、平版を丸く折り曲げて、溶接をして繋げるだけで出来上がります。
溶接さえできれば、すぐに完成するのがメリットですが、溶接部分はどうしても強度が弱くなるというのがデメリットです。

普通の配管に使うのであれば問題ありませんが、高圧ガスなどを流す場合は、価格が高くてもシームレス管を使用するのが一般的です。

スパイラル接手

スパイラル接手は、すでに完成しているので、配管を設置する場所に合わせて切断するというのが一般的な作り方になります。

スパイラル接手にもいろいろな種類がありますが、最もスタンダードなのは亜鉛メッキ加工された肉薄の管材です。
切断には、高速カッターやサンダーを使いますが、切り口にバリができやすく、いい加減な作業をしてしまうと指を切ってしまうので注意が必要です。

スパイラル接手が使われるのは換気扇やレンジフードなどの空調配管なので、プラントでも同様の目的で使われます。

配管の継手の種類について

配管はつなぎ合わせて敷設していきますが、箇所によっては溶接ができないところもあるため継手が必要になります。
配管の継手にはいろいろな種類があります、ここではよく使われる継手を3タイプ紹介します。

フランジ

フランジは、最もスタンダードな継手です。
形状はつば手となっており、粉体や粘性流体を扱う配管で使われます。
粉体や粘性流体は詰まってしまうことがあり、分解してパイプ内を清掃・メンテナンスを行うので、分解や組み立てが簡単なフランジが採用されることが多いのです。

溶接

溶接は、経験と技術を持つ配管工が行うのであれば、最も漏れが少なく耐性に優れている継手です。

パイプ同士を付き合わせた部分を溶接してつなぎ合わせる溶接は、ねじ込み式よりも強度があります。
そのため、マンションやアパートなどの集合住宅はもちろん、石油化学工場やガス工場、水処理施設などのプラント配管でも使用されます。

ネジ式継手

ネジ式継手は、オスネジとメスネジを組み合わせてつなぎ合わせる継手で、手軽に扱えるのが特徴です。
平行ネジとテーパーネジの2種類があり、用途や使用する場所によって使い分けます。

ただし、手軽に施工できる分、強度は他の継手よりも弱いので、低めの圧力で、流体が漏洩しても問題のない配管に使うのが一般的です。

プラント配管は豊富な知識と経験が重要

プラント配管は、熱湯や製造に使用するガスや薬品、特殊な液体なども輸送するため、流体ごとに適したパイプや継手などを組み合わせなくてはなりません。
また、圧力計や温度計、流量計など特殊な機器が設置されています。

このように、プラント配管はとても専門性が高い配管なので、豊富な知識と経験が重要です。
当社はプラント配管&タンクの全てを担っています。
プラント配管に関するご要望は、ぜひご相談ください。